教育費の悩み!奨学金の考え方についてお金のプロが解説
こんにちは。
名古屋の家計相談・子育て応援FPの近藤です。
今回のテーマの教育費について
全て子育て世帯の悩みの大きなポイントですね。
子供にはしっかり教育を受けさせてあげたい!
でもそこにはお金がかかる。
そこで今回は奨学金をどう考えるか?
そのヒントになればと思い記事を書かせていただきます。
現状の日本の教育費について
日本の教育費の現状についてまずはまとめていきます。
現状教育費はいくらかかるのか?
子供が生まれると必然的に教育費の問題が出てきます。
子供を一人育てるのにはそれだけお金がかかるという事ですね。
あくまで教育費のみの考えで、付属的なお金はそれ以上と考えても、
ずっと公立で800万以上
ずっと私立だったら2300万以上となっています。
特に義務教育明けの高校、大学の費用は高くなります。
家を出て下宿するとなると仕送りもかなりの金額に・・・
だから日本では子供が18歳に向けて学資保険などの積立て
してをする文化が根付いているんだと思います。
教育費以外にかかるお金は習い事が大きな割合です。
さらには受験に伴い塾の費用なんかも追加されます。
歴史から見る教育費の推移
1970年からの比較をすると1人にかかる教育費はなんと7倍以上!
つまり今のお金があれば7人子育てできた時代がある。
少子化に伴い一人にかける教育費用も
高くなってきている傾向もあります。
物価も安かった
消費税もなかった
社会保険料も安かった
労働人口も多かった
昔と今では単純比較できないほど世の中が変わっています。
昔はこうだったとかの議論は意味はなく
これからどうしていくのかが大切なポイントです。
これからの教育費をどう乗り切るのか?
国や自治体からの支援はどんなものがあるのか?
◆大きなものはまず児童手当です。
子育てにかかる負担を考えて子供一人当たりに給付金があります。
現在は所得制限がありますが、撤廃されることで閣議決定がありましたね。
◆保育については、満3歳以降は一部無償化があります。
◆高校教育への補助も所得制限はありますがあります。
現状では大学に進む場合の補助に関しては、選択制の教育になるため
決まった施策はありません。
◆2025年から大学の無償化も閣議決定されました。
これは子供3人以上扶養している世帯は大学費用が無償化されるというもの。
子供が2人の世帯は受けられない点や1人が卒業して扶養から外れたら
下の子は適用外になってしまうというものです。
かなり複雑な制度ですが、
今後も子供の教育に関してはいろいろな施策や補助が出てくると
思いますので都度、自分たちは使えるかどうかを調べていく必要は
ありますね。
日本の教育のこれからと世界との違い
日本の教育はこれからどんどん変わってくると思います。
良い点数を取って、いい学校に入って、いい企業に入社する!
それが幸せと考えられていた時代は終わりを迎えています。
これからの教育でどんなことが変わり
大切にされる力とはどんなものなのか?
それを考えていく必要がありますね。
求められる教育はどう変わっていく?
今グローバルな企業では履歴書に学歴欄が無くなっているんです。
いい大学を出ている=社会で活躍できるとはならないという事ですね。
僕も企業に勤めているときに
学歴=仕事ができるという事ではないことは感じてきました。
大学でも試験でAO入試というものが採用され始めました。
これは面接や論文などを通じて
大学で何を学び、将来にどうつなげていく志向があるのか?
大学に入ることがゴールではなく、そこで何を学び未来につなげるか?
ここが大切になってきます。
つまり学びの場のあり方も、学ぶことも変わってきている
という事だと思います。
点数を取る教育では今の子供たちは生き抜けない
もちろんテストは大切です。
しかしいい点数を取ることを重視して、指示されたことをこなして
きた結果は、いい学校を出ても自分で考えられない子になってしまいます。
与えられたらすごいパフォーマンスを出すが
生み出すことができない。
海外では、有名な企業で多くのリストラが行われています。
すごく優秀な社員も対象です。
その理由は”AIに置き換え”による人件費のカットです。
正しく計算をする、言われた業務を遂行する
こうした仕事はAIでできるという事です。
実際にこれにより人件費が削られ利益が上がっています。
これって日本にも同じことが起こってきますよね!
AIでできる仕事はAIへ。
そう考えると今の子供たちが大人になるころには
今の仕事は半分はなくなっているかもしれませんね。
だからこそAIになっても、仕事ができる力を
今後の教育では大切にしていく必要があるんです。
これからの教育で身に着けるべき力とは
実はすごくシンプルだと思います。
自分で考え、行動し、伝える力
人の感情に向き合う力
与えられたことをこなすだけ、テストでいい点数を取るだけでは
AIでいいという事になります。
与えられたことは何に繋がってそれをすることでどうなるか?
何のためにテストの点を取るか?
何のためにその学校で学ぶのか?
そうやって考えて行動できる力だと考えます。
これは、すぐにできるようになる力ではなく
答えがある教育ではないため、小さな時から考えることを
続けていくことが大切だと思います。
目的とゴールを見据えて行動することですね。
奨学金について考えてみる
少し教育論について書いてきましたので、
教育費(お金)の話に戻しましょう。
そうはいっても子供が学びたいと言ったら
親としては、応援してあげたい!
でもお金がかかり生活が・・・
そんな時に頼れる制度が奨学金や教育ローンです。
その考えについて書いていきます。
奨学金と教育ローンの違いは?
大きく分けるとこの2つの違いは”誰が借りるか?”です。
教育ローンは保護者(親)が借りるもの
奨学金は子供(学校に行く本人)が借りるものです。
奨学金は決まった金額を毎月受け取るものですが、
教育ローンは一括で受け取ります。
返済期間は
教育ローンは国か民間でも変わりますが10年~20年
奨学金は最長20年になります。
奨学金の制度について
奨学金には大きく給付型と貸与型があります。
給付型は返済しなくてもいいもので、貸与型は返済が必須です。
日本においてはほとんどが貸与型になります。
貸与型の種類としては
◆第一種奨学金:学力や家計についての条件があるが無利子
◆第二種奨学金:有利子で利率は「利率固定方式(固定利率)」
「利率見直し方式(変動利率)」から選択できる。
※いずれの利率も年3.0%が上限
ここが日本と海外の大きな違いですね。
日本では奨学金という言葉を使いますが、言ってしまえば”借金”ですね。
借りようと思えばだれでも借りられます。
海外は基本は給付型!
奨学金をもらって何を学びたいかを明確にしてもらいます。
選ばれた人は返済義務なくお金を受け取れます。
ただしもらうための基準は簡単ではありません。
海外は学びに意欲的な学生を投資として応援する考えですね。
これは今後、お金をもらってでも学びたい意志が求められる
日本の教育でもスタンダードになっていったらいいなと感じます。
教育ローンのメリット・デメリット
教育ローンのメリットは、あくまで親(保護者)が債務者になります。
そのため返済に関して子供の負担はありません。
奨学金は借り入れが入学後ですが、教育ローンは入学前にも受け取れるため
様々な準備に使うことができます。
デメリットは、奨学金よりは金利が高い事です。
現在は決して高い金利でないですが、長期になれば負担になってきますね。
奨学金のメリット・デメリット
一番のメリットは、在学中は無利息になる点です。
利用にあたっては審査がありますが、仮に利息ありでも
金利は高くありません。
デメリットは、債務者が子供本人になる事です。
子供自身が返済をしていかなければなりません。
子供に借金を抱えさせたくないという親も少なくは
ないと思います。
奨学金を子供に借りさせることに罪悪感を感じる必要はない
多くの子育て世帯の教育費の相談に対応していると
なるべく子供に借金は抱えさせたくないと考える家庭は
少なくないように感じます。
ご自身が奨学金を借りていたケースなら抵抗は少ないですが
それでもそう感じてしまいます。
ただ時代は大きく変わってきている中で
ここで無理し過ぎてはいけないことも考えなければなりません。
親のお金を残さなければ子供にしっぺ返しがいく!?
今は親も長生きの時代になってきました。
つまり老後にもお金がたくさんかかります。
以前は老後資金2000万円問題と言われていましたが、
最近は物価の上昇なども加味すると老後資金4000万円不足問題という
話にもなっています。
つまり教育資金で無理をしてしまって、親のお金が無くなってしまうと
老後の生活費が厳しくなる。
さらに親の介護などが発生したら、本来介護費用は親自身の資金で
行いますが、お金がなければ家族が負担する状況になります。
教育資金で子供の為を思って、無理をしたら将来それ以上の
苦労を掛けることになる可能性があることも考えておくべきだと思います。
子供はこれから稼ぐ時間がありますが、親は稼ぐ時間が限られます。
奨学金を借りてでも学びたいことがあるか?親子で話そう。
先にもお話ししてきたように、
大学に行けば安心の世の中ではありません。
何のために学ぶのかが明確に必要なってきます。
その上で本当に大学に行くことが必要なのか?
そこをしっかり考える家族で話をすることが重要です。
これだけ高い学費がかかるのに、
授業に出ずに遊んだり、バイトだけして過ごす・・・
とにかく卒業の為に単位を取る
それは本当にもったいないお金の使い方です。
大学の費用がどれくらいかかるものなのか?
しっかり話したうえでそれでも学びたいか!
これが今後大切なコミュニケーションだと思います。
その上で奨学金でお金を借りてでも行く事を選ぶ意志の
確認をするといいですね。
実際借りるか借りないかはその時の状況次第ですが
借りなくてもここはしっかり話すべき内容です。
借りたものはしっかり返すことが当然。それをしっかり教育しよう。
奨学金の返済について、たまに返済ができずに
保証人である親が払うことにとか、自己破産などの話も
聞いたりします。
なぜこんなことが起こってしまうのか?
シンプルにお金の学んでいないからだと思います。
今は18歳で成人=大人として扱われます。
お金を稼ぐ力
管理する力
貯める力
増やす力
実際に働くまでの間にこれを身に着けることで自立できます。
そして借りたお金はしっかり返す計画を作らないといけない。
奨学金の大きな問題は、借りることは簡単にできてしまいますが、
借りる際にしっかり子供が自分でいくら返済していくのか?
これを理解していない場合があります。
だから返済スタートで管理できずに負担になってしまう。
大学にかかる費用と奨学金の特徴をしっかり親子で話して
計画的に返す力を身に着けてあげる事が重要です。
奨学金は金利ありでも低金利
無利息の奨学金は利息がないですが、利息がある内容も今は低金利です。
最近では、高校での金融教育で投資などを学んでいます。
話題の新NISAなどで金利よりも高いリターンを得ることも
できる可能性があります。
教育=将来への投資ととらえると
低い金利でお金を借りて将来の為に学ぶことは
実はとても理にかなっている気もします。
冒頭お話ししたようにここで親が無理することは良くないです。
奨学金を借りて、一気に資金が減ることを防ぎ
その分を資産運用して将来の子供や自分たちの為に使う。
そうした考え方もありではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
子供の為に教育をしっかり受けさせてあげたい。
そんな強い思いから無理をして
手元にお金がないという家庭も少なくありません。
でも実際はそれは将来子供に大きな
負担をかけることになるかもしれません。
今教育の形も、将来の仕事も大きく変わっています。
国の補助などの制度も変わってきます。
そのタイミングでベストな選択をできるように
していきましょう。
お金の教育=子供を守る教育
奨学金の考え方や仕組みを伝えることも
大切な価値です。
そして家族が明るくなるコミュニケーションになります。
ぜひ実践してみて下さい。
お金の教育の第一人者になれるように僕も引き続き
頑張っていきたいと思います。
全ての子育て世帯がお金で知らないことで損をしない人生を!
これがRACの想いです。
100世帯あれば100通りの考え方や資産運用の仕組みがあります。
誰かの真似ではなく自分に合った内容を、自分で選びこと。
幸せな人生にはお金は必要です。
ぜひしっかり向き合うきっかけにしてください。

子育て世帯専門のファイナンシャルプランナー
子供と大人のお金の先生
<資格>
ファイナンシャルプランニン技能士2級/証券外務員2種/住宅FPエキスパート資格
CEOキッズアカデミーマスター講師/キッズマネースクール認定講師
子育て世帯専門に年間100世帯以上のお金の相談に対応。お子様が寝てからのオンライン面談も好評。
こどもと大人のお金の先生として子供への金融教育にも力を入れており、おこづかい教育などは非常の評価されています。
子供の起業家マインドを育てるオンラインスクールなど、大人も子供も生き抜く考え方を伝えています。
身近で気軽に相談できるパートナーになれるようにわかりやすいセミナーやコンサルを心がけています。
子供にお金の教育を行う第一人者として
YoutubeやPodcastで配信も行っています。